OKWAVE PROFESSIONAL. 専門家特集
(西之表市、地域支援課、インタビュー)
西之表市(にしのおもてし)に移住をしたきっかけ
写真:種子島上空から見た海の風景。豊かな自然と美しい景色が魅力
みなさんの移住に対するイメージはどのようなものでしょうか?
自然に囲まれた田舎暮らしや、助成金・補助金といった金銭面での優遇など、選ぶ基準は様々です。
各自治体でも、地域の受け入れ側の事情だけでなく、移住者側に立った視点も考えながら
個性的な取り組みを模索する自治体が増え始めています。
今回ご紹介するのは、あの鉄砲伝来でお馴染みの鹿児島県種子島・西之表市。
シングルマザーに焦点を当てた移住支援を進めるなど、
徐々にその個性を発揮し始めています。その背景には1人の担当者の強い思いと、
移住者にとって本当に必要なことのヒントが見えてきます。
(現在、新型コロナウイルスの影響により、人の移動が制限されている中、
本記事のインタビューはオンラインにて実施させて頂きました)
(OKWAVE):今回はインタビューに応じていただきありがとうございます。
遠矢さんは、種子島・西之表市の地域支援課にお勤めで、地域おこし協力隊として
移住定住支援について担当されていますよね。
写真:西之表市・地域支援課で移住・定住支援を担当している遠矢さん。
(遠矢さん):はい。協力隊の仕事は2019年4月からになります。自分の持っているスキルを使って、
もっといろんな人に向かって発信していきたいという思いがあり、
移住フェアに参加したり、移住者に向けたガイドブックの作成をしています。
この他にも、空き家バンクの仕事として、空き家に関する情報を集めて発信しています。
市内の不動産会社と連携しながら、移住したい方や市内で転居をしたい方へ情報を伝え、
HPで貸し出せる家の情報を更新をしています。それ以外でも島で暮らす等身大の自分をブログに毎日更新しています。
ブログとインスタを更新する度、反応が返ってくるのは、毎回やってて面白いですね。
写真:鹿児島県種子島の海の玄関口となる西之表港
(OKWAVE):拝見していると、移住・定住に関する広報として、とても幅広に活動をされていますね。
事前にお伺いした話だと、遠矢さんご自身も移住者のお一人だそうですね。
(遠矢さん):そうなんです。
種子島との縁は、子どもの頃からです。私の祖母が西之表市に居り、夏休みなど長期休暇の度に泊まってました。
当時は出身である鹿児島市に住んでいて、種子島に最初に移住したのは種子島高校への入学がきっかけです。
そのときに友達も増えました。
高校卒業後は鹿児島市に戻り、短大で小さい頃から夢であった保育士の資格を取りました。
その後、保育を通し種子島の自然を子ども達と体験したいという思いがあり、保育の仕事で種子島に戻って来ましたが、
(社会人として若いのもあり)人付き合いに疲れてしまい、5年ほどで種子島を離れました(笑)
(OKWAVE):これは新社会人あるあるというか、全国共通ですね(笑)
でもそこからもう一度種子島に戻られています。きっかけは何だったのでしょうか?
(遠矢さん):きっかけは、休みの度に種子島へ行く機会があり、おばあちゃんや友達と会って話すうちに、
楽しくなり、種子島に帰りたいという気持ちが強くなってきて、「やっぱりこっちがいいな、自分には種子島が合ってるかもな」と思ったからです。
(OKWAVE):なるほど、心地よさがあったのでしょうね。
遠矢さんにとっての西之表市ならではの良さって何でしょうか?
(遠矢さん):「人がめちゃくちゃ良い」ですね!
種子島は自然が豊かで温かい雰囲気もあり、悩みがあると親身になって相談に乗ってくれるやさしさがあります。
出身である鹿児島も雄大な桜島がありますが、
種子島の解放感は格別!!海がきれい、空がきれい、星がきれい、空気が美味しいなどなど。
自然を全身で感じることができる種子島は最高です!
私は島の西側に住んでいますが、毎日夕日が沈む瞬間を見られるんです。
「今日も1日終ったなぁ、明日も頑張ろう!」と夕日を見ながらいつも癒されています。
写真:島の西方に沈む美しい夕陽。1年を通じて過ごしやすい気候に恵まれている。台風の上陸は関東と比べると比較的多いですが、晴天率の高さは種子島にロケット発射場ができた1つのポイントだとか。
(OKWAVE):逆に、西之表市で困ることはありますか?
(遠矢さん):初めて一人暮らしをした時は、光熱水費が少し高く感じました。
例えば、ガスが都市ガスではなくプロパンガスなので少し高いです。
お給料もそんなに高くないので、どうやりくりしていくか考えることもありました。
それから住居に関して、
住居の特徴や場所に応じたいろんな困ったが出てくるのかな?と思います。
私の住居の場合、海の真横にあるので海風が直接当たり、強い。室内でも扉がガタガタ動くんです(笑)
夏場にはエントランスにフナ虫が100匹くらい死んでいたこともあります。
山や海が近いので、虫は多く、サイズも大きいですけど1年経てば慣れます。
おばあちゃんからは昔、「虫とは友達になりなさい」と言われました(笑)
(OKWAVE):なるほど(笑)このあたりは選ぶ住居によって、大きく違いがありそうですね。
(遠矢さん):
一方で、ほとんど困らないこともあります。
特に食べ物は本当に困らないです。私の住居の近所に100円の無人販売所あり、
野菜が無くても少し走れば買えるので(笑)ちなみに野菜はスーパーで買うより全然安いです。
最初は「虫が出てきたらどうしよう?」と思っていましたが、
それも今では、面白いと思うようになりました。
魚も鹿児島よりも全然安いですし、ボリュームもあってとてもおいしいです。
今は、捌けるように練習中です。未だに捌くと身がなくなってしまってますが・・・(笑)
写真:無人販売所の様子。種子島には、各農家が用意する無人の野菜販売所がたくさんある。
地元でとれた魚なども手に入れやすく、地産地消の美味しい生活は島ならではの魅力の1つ。
(OKWAVE):では、暮らし以外の部分、お仕事についてお伺いします。
ご自身の経験などを踏まえて、この島での働きやすさなどはいかがでしょうか?
(遠矢さん):自分の体験が中心にはなりますが、定時に帰って、アフター5を充実できます。
今まで保育の仕事で、現在はデスクワーク中心になり職種の違いに最初戸惑いはありましたが、
仕事が変わり、いろいろな人と会うことができます。また種子島のことや
西之表のことを聞くことで、地域を改めて知ることができやりがいにもなります。
休みをゆっくり充実して過ごすことが出来ることで、心の余裕ができる。そういった良さがあります。
(OKWAVE):お話を聞いたり拝見している限りだと、遠矢さんのお仕事自体は幅も広く
やりたいことができているという充実感と、ゆっくり過ごせるという息抜きの面が、
うまく両立しているようにも見受けられます。
写真:初めてのシーカヤックを体験。休日には気軽に自然を楽しむことができる。
(OKWAVE):遠矢さんが今後、西之表市でやっていきたいことはどんなことでしょうか?
(遠矢さん):地域おこし協力隊の任期が3年で、今ちょうど1年が終わって、残りが2年になります。
協力隊の仕事としてはまず、地域のヒトとのかかわりをもっと増やして
空き家バンクや移住フェアなど移住者の対応を充実できるようにSNS、ブログや写真を使って
情報提供をしていきたいと考えています。
今は新型コロナウイルスの影響で各方面で自粛している状況ですが種子島の良さを動画を作り発信していきたいです。
一方、わたし個人としては保育士の強みを生かして西之表市で託児所を開きたいと思っています。
今の仕事をしながら副業も出来るので、4月に入ってから保育士の仕事を始めています。
西之表市内は保育施設は充実しているのですが、院内託児所の一箇所しかありません。
今後、ひとり親の方々へ支援を考える上で頼れる知り合いとして、気軽に託児所を活用できる
施設を作りたいと思います。
託児所は、まだこれからなので
お母さん方や同僚の保育士と話しをする中で、利用者や働き手のニーズを調査しているところです。
地元の人とも連携してうまく進めていきたいので
そこは今悩んでいるところです。託児所開設に向けて、頑張ります!!
- 種子島・西之表市 地域支援課
OKWAVE PROFESSIONAL.に自治体職員として参加しています。
プロフィールページ:https://okwave.jp/profile/u2927634.htmlアンケートを実施しています。ぜひご回答ください。
種子島をご存知ですか?(アンケートカテゴリ)
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