日本初、最大級のQ&AサイトOKWave
vol.5 筧昌也監督
コミュニティーに質問する OKWorld 在日外国人の為の生活情報
OKWave > 10Question > vol.5 筧昌也監督

そもそもこの世界に入ったきっかけを教えてください。
もともと10代の頃から漫画を描いていて。投稿もして賞をいただいたりもしたので本気でやろうかとも考えていたんですけど、大学を選ぶ時に美大と映像で迷って。最後は絵を描くのは一人でもできるなって思って、映画は撮りたいと思ってもひとりではできないので、大学に行けば仲間がいるんじゃないかなっていう。なので絵を描く人になりたい気持ちはありましたけど、映画監督の学校に行っちゃったんですよね。
それで本格的にやり始めて面白くなりはじめたんですけど、まぁ実際に映画監督になれる人はほとんどいないのが現実なので、趣味で絵も描き続けて。卒業後、企業のビデオとかCMを作る会社に就職したんです。そこではCG作ったり、アニメーション作ったり、絵に関することをやってたんですよ。結局どちらもやれると武器になるんだなぁと思って。だけど自分のストーリー、自分の絵が作りたいなと思って、結局1年ちょっとでそこは辞めて。それで学生のときにやっていた自主映画の世界に戻って、新しく撮ったもの(映画『美女缶』)がコンクールで賞をいただいて。いろいろなプロデューサさんの目に留まって、今回の「ロス:タイム:ライフ」にもつながっていくという。なので23歳の時に作った自主映画が契機ですね。 そんなことなので師匠がいるでもなく、本当に運がよくてアシスタント時代っていうのもないし。自主映画やってて、お金はかけられないですけど、安っぽく見せないようないろんな工夫とか、全部自分たちでやったことの繰り返しですかね。都合6、7年自主映画やっていたんですけど。25歳の時に「ロス:タイム:ライフ」の最初のを作ってますから。最初のは本当に予算もなくて、今の100分の1くらいの予算ですからね。お金かけないでも面白いものはやっぱり面白いんですよ。人が死にましたと言ってわざわざCG使って足が消えて幽霊みたいになっちゃうみたいなことををしなくても、審判を周りに囲ませてそれだけで死んだってことを表現するとか。アイデアが大事だなって思っていますけど、それって少ない予算でやってたからですよね。はじめからお金があっていいキャストも揃っていて、てことだとあんなのは思いつかなかったかもしれないです。お金なくて、名キャストもいなくて、でもいいものを作るには作品そのもので勝負するしかないわけで、だからかなぁと。ある意味ハングリーでしたからね。そういうところがプロデューサの方からは新鮮に見えたのかもしれませんね。

▼周りには同じような境遇の仲間も多かった?
そうですね。大学は映画の学校でしたから、カメラマンなりたいやつとかもいましたし、誰かが監督やる時には他のみんなが手伝ったり、その代わり、自分の時には手伝ってもらったりとか持ちつ持たれつで、そういう風にやっているうちに誰かが有名になっていくみたいな。そういう環境でやってましたね。
作品で一番伝えたいことは何でしょう。作品によって異なりますか?
作品全部に共通していることってまずないですね。僕はテーマからは入らないので。先に何となくやりたいことがあって、ストーリーを考えていくうちにテーマがにじみ出てくるような感じです。考えていくうちに“あぁこの作品はこうだったんだな”て。なので、「ロス:タイム:ライフ」の公式サイトの掲示板なんかでも「生と死について深く考えさせられました」なんて感想をいただきますけど、そう思うだろうなっていうのはもちろんありますけどそこまではこちらが言いたいことではなかったりもしますからね。そういうのは見ている方が自由に考えてくれて良い事だと思うんです。だからあまりこれといってはないんですよね。

▼そういう意味では企画そのもの重視?
そうですね。あと、テーマってそれ自体はそれほどバリエーションないんですよ。人生を大事にしようとか、家族とか恋人とか、愛情とか友情とか、10パターンもないんじゃないかと。さらにストーリーっていうのもだいたい世の中には30パターンくらいしかないと言われていますし。それでも話が幾つもある、というのは入口部分、要は設定とかキャラクターの新しさだったりなんですよね。最後は誰もが分かるところに行きたいのは僕にもあるんですが、入口を出口の部分となるべく離したいってのは狙っていて。「ロス:タイム:ライフ」は前半は結構笑える話もあるけど最後はしんみりさせるようなギャップが意外でいいなんていう声もあったり、それが伝わっているのならうまくいっているのかなって。
筧監督ご自身の人生におけるモットーは?
やりたいことをやる、ということですね。一度の人生ですしね。
やりたくないような仕事も最低限はやった方がいいとは思いますけど、目の前にある嫌な仕事でもクリアしていくとそれなりに達成感があるので、その間違った達成感に支配されていくと気づいたときには本当にやりたいことがそのまま消えていくことがあるじゃないですか。それにたいしてどれだけ敏感でいられるかってことですね。だから、それが1年で嫌になっちゃうのか、3年我慢できるのか、10年我慢できちゃうのか。40年我慢できちゃえば人生終わっちゃいますよね(笑い)。僕の場合はそれが我慢できなかったので、1年で会社辞めちゃったんですよね。自分のやりたいことを給料のために使いたくない!みたいな若造だったので…。今ではそう思わないですけどね。だんだん大人になるんですけど、どこまでも良い意味で子供でいたいなと。嫌なことをやらなきゃならない場面も出てくるんですけど、嫌なことはやらなくてもいいっていう状況に自分を持っていけるようにするのが重要かもしれないです。嫌なことをやだって言うのもつらいじゃないですか。1回嫌いなことでも引き受けちゃうと次からどんどんきちゃいますから、ちょっと違うなって思ったら勇気を持って断ったりね。でもとても難しいですよね、その辺のバランスは。
今後取組みたいことを教えてください。
インターネットのインタビューだから言う訳じゃないですけど、ネットで小説なのか漫画なのかはさておき、原作を定期的に連載して、自分で映像化するとかやりたいですね。インターネットだと、見ている人の、こんなストーリー展開がいいとかこんなキャラクターがいいとかいう意見を取り入れられやすいですし。週刊マンガでもよくやる手法ですけど、ネットだと雑誌よりもハードルも低いしもっと即興性のあるのができるから、そいうのものと、映画っていうどっしりとした普遍性を求めるメディアをミックスさせたいというのがあって、いつかそういうのをやれたらと思いますね。一人で原作もやって映画も撮っている人ってあんまりいないから、やれるといいなと。
最後に当インタビューを読んでくださったみなさんに、メッセージをお願いします
まずは映画「Sweet Rain 死神の精度」を観て下さい!。4月5日の「ロス:タイム:ライフ」は大泉洋さんですし、OKWaveさんにも協力してもらったし、見てほしいですけど、まぁテレビなので映画に比べたら気軽ですよね。でも、ぜひ映画館にも足を運んでください。

■お知らせ
「ロス:タイム:ライフ」第9節ひきこもり編(2008年4月5日放送)に注目!
作品中にて、大泉洋さん演じる主人公がネットで質問する場面に注目してください!この画面って見慣れてませんか?そうです。OKWaveならぬ昔の名前で出ていますよ。そんなところにも注意して4月5日(土)の放送をお楽しみに!
ロス:タイム:ライフ」番組サイト

劇場公開情報「Sweet Rain 死神の精度」
丸の内プラゼール他全国ロードショー
原作:伊坂幸太郎
監督:筧昌也
出演:金城武、小西真奈美、富司純子ほか

http://www.shinigaminoseido.jp/

筧 昌也

1977年11月2日生まれ、日大芸術学部映画学科映像コース卒業

大学入学と共に本格的に映像制作を始める。
1998年「スクラップ」、2000年「ハライセ」と続けて2本の自主製作映画を完成させ、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭に連続入選。 2003年、自主映画『美女缶』がゆうばり国際ファンタスティック映画祭オフシアター部門グランプリ、ぴあフィルムフェスティバル(PFF)企画賞等を受賞し、2004年劇場公開される。2005年には「世にも奇妙な物語 春の特別編」にて(主演:妻夫木聡)セルフリメイク。また、小説版「美女缶」(幻冬舍・刊)の執筆も自ら行う。
2007年、映画『恋するマドリ』(主演:新垣結衣)の原案を担当。
オリジナル企画の連続ドラマ「ロス:タイム:ライフ」では原案、チーフ監督、脚本を務める。
2008年春、初の長編映画『Sweet Rain 死神の精度』(主演:金城武)が劇場公開。

■代表作 /映画『美女缶』、TV「世にも奇妙な物語『美女缶』」(CX)、 「ロス:タイム:ライフ」(CX 08.2〜)「怪談新耳袋」(BS-i)、 「ユキポンのお仕事」(TX)。短編映画「35度の彼女」、映画『Sweet Rain 死神の精度』。
■アニメーション作品に「スキージャンプペアDVD1オープニング」「スペースシャワーTVID」他

筧昌也公式サイト「ik」
筧 昌也
[ PREV ]